共産主義者同盟(火花)

安倍氏の国葬に反対する

渋谷 一三
457号(2022年7月)所収


<はじめに>

 7月22日、岸田政権は急遽安倍氏の国葬を行うことを閣議決定した。
 決定しないで置いておくと、論議が活発になり、「国葬にすべきではない」派が多数派になることが予想されたからである。
 「国葬にする基準は最低限議論し決定すべきであり、そうしないのは恣意的な政治で好ましくない」とする論客・放送局が少なくないからだ。
 かくして、昔“懐かしい”ゴリ押し政治がまたもや繰り返された。とんだリベラル派だ。岸田氏が国葬を急いだのは安倍派の政権支持を今後も取りつけておきたいという矮小な政治目的のためでしかない。

1.統一教会の広告塔の役割を担い、破滅家庭を生み出し続けた安倍氏と安倍派

 統一教会の資金源が日本にあり、反日感情もあいまって骨の髄までしゃぶり尽くし、多くの日本人信者の家族の資産を収奪し尽くしたのは広く知られた事実である。
 この犯罪集団が延命のため名称変更を願い出たのを、日本の官僚機構は認めないできた。
 ところが、政治献金と引き換えに、安倍派の下村文科大臣が口利きをして官僚機構が「世界統一家庭連合」なる名称への変更を実現させた。
 これだけでも十分犯罪的行為である。
 ところが、これにとどまらず、安倍氏は政治献金ほしさにこの犯罪的宗教集団へビデオメッセージまで送った。
 現職の首相が送っているビデオメッセージを見せられた「信者」は、迷いを振り切って入信したことだろう。強力な広告塔である。
 統一教会の犯罪を裁判で犯罪と立証することで闘っている弁護士と被害者家族の闘いを嘲笑う行為である。
 統一教会が犯罪宗教集団であることを知らなかったとは言わせない。
 霊感「商法」や合同結婚式のあくどい所作は、日本の全マスコミが連日報じていた。統一教会を知らない日本人は極めてまれだった。
安倍氏と安倍派は、無数の「山上家」を生み出し続けてきたのである。

2.統一教会丸抱え候補として今参議院選に当選した安倍氏秘書の井上氏

 安倍派と統一教会の癒着は甚だしく、安倍氏の秘書を務めてきた井上氏は、統一教会の大会に出て、選挙での投票を呼びかけてもらい、自らは統一教会の賛助会員になることで組織票をもらって当選した。
 統一教会(世界統一家庭連合)が国会に送り込んだ国会議員と言えよう。

 安倍派は、ご覧のように、統一教会と深く結ばれていたのである。

 今回の射殺事件がなければ、マスコミがこうした事実を報道することもなかった。
 安倍政権でのマスコミ掌握は成功していた。

3.殆どの幼稚園が余儀なくされている職員の定員割れを使って籠池氏を収監し、黙らせ、森友学園問題を闇に葬り、加計学園も黙らせることに成功した安倍氏

 こうしたことが出来たのも、課税をちらつかせながら新聞社を黙らせ、朝日新聞の誤報キャンペーンで勝利して、朝日新聞社長を毎月自宅の夕食会に招待する関係にまでに貶めることに成功したからである。

 だが、「桜を見る会」問題での資料処分やホテルの領収書の「偽装」が発覚するに及んで、首相を辞めることで幕引きを図ることに成功した安倍氏。

 ロッキード疑獄が米国との国際的なものであったために、権力を利用して隠蔽することが出来ず収監された田中角栄首相との対比に注目されたい。

4.かくも利権まみれの安倍氏を国葬にする理由はどこにもない。

 国葬にすることで、外交が出来るなどという屁理屈をつけて支持するキャンペーンをする向きもあるが、外交など必要が生ずればいくらでも出来る。逆に、必要のないところでの外交は成立しない。単なる儀礼に終始する。
 安倍政権を支持して来なかった国民はほぼ半数をキープしてきた。税金を使って一個人の葬式を行うことは許される事ではない。

―以上―




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